こんにちは。おんじゅく代表 のじま えみです。
一昨日開催のモーニングコンサート茂木彩&野島恵美ジョイントリサイタル、
お陰様で満席にて公演を終了いたしました。
霧雨のような雨がちらつく中、お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。
以下、本公演にあたっての想いや感想などを記してみたいと思います。
クリエイティブな街に刺激されて
さて、今回の舞台は、東京の青山・表参道エリアに位置するhall60。スタイリッシュな空間と、その周辺を行きかう人々のおしゃれさ、周辺の洋服店の雰囲気(まるでコレクションに出てきそうなクリエイティブな商品、というより作品を展示してあるような場所)に刺激され、今この日本でドイツロマン派を弾く意義みたいなことをモヤモヤと考えておりました。 ちょうどそのころの私は、NHKオンデマンドにハマり、バイロイトの舞台が自宅で観れることに感動していました(笑)そこで、ローエングリンやパルジファルの読み直し演出を面白く思っていたので、シューマンの音楽と日本の詩や写真を組み合わせてみたら面白いかも!?という着想が湧いてきました。こどもへの眼差し、生と死、繰り返される歴史・・・・シューマンの子供の情景を発端に湧き出てくる思想やイメージと、共通の何かが感じられると思った「手から手へ」という詩。この度、詩人、写真家の方々のご理解とご協力をいただき、これを開演前にオープニングムービーとして流すにいたりました。(↓ピアノ後方にあるスクリーンがそれ。当初演奏中も流そうと思っていたのですが、「気が散る!!」という共演者の愛のコメントをいただき(笑)、演奏前に消すことにしました。良かったです(笑)) 初の着物での演奏
さて、今回は日本の詩や写真とのコラボレーションということで、着物を着ての演奏に臨みました。弾きにくくないのか?と何人かのお客様にご心配いただきましたが、実は帯の締め付けが腹筋の助けをしてくれ、微細なタッチのコントロールがし易かったです。今回音の混ぜ合わせにこだわっていたので、ペダルを鋭敏に踏める足袋もGOODでした(笑) 後半はフランス音楽
後半は、高校時代からの盟友、茂木 彩さんが、お得意のドビュッシーを聴かせてくれました。ベルガマスク組曲を四曲まとめて聴くのは久しぶりで、ドビュッシーが考えた作品構成やクラシックからはみ出たような演奏効果など、茂木さんがさすがの表現で浮き彫りにしてくれました。作品解説も楽しく、 喜びの島は、島と海の情景が目に浮かぶようでした。 今回ゲストでチェロを弾いてくださったのは菊川さん。シンプルな単線メロディーを、あれだけ感じて弾けるのに驚嘆。音への没頭の仕方が師匠の堤先生と重なりました。
出演者3名で終演後。
ほっとして・・・終わってみての感想ですが、シューマンの音楽は神経をとても使うので疲れました・・・と同時に愛も深まりました。ロマン派やトロイメライといった単語からのイメージとは逆に、シューマンは心の内を描くという意味において、恐ろしいくらいのリアリストだなと思いました。本番前日と前々日は、絡み合う蔦のようにフレーズが頭をグルグルしてやばい状態でしたので、健康な精神のために、少し間を空けてまたこの作品と向かいたいと思います(笑)
そんなわけで終演。お忙しい中お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。
次回、9月1日(日)三重・菰野のパラミタミュージアム「パラミタコンサート」でも同曲を演奏予定です。
山に囲まれた美しい美術館と、その展示もとても素敵なので、もしよろしければお出掛け下さい。
それでは今日はこの辺で!今日も素敵な音楽を♪