こんにちは。おんじゅく代表(音楽家のしごと塾) のじま えみ です。
先日、こんな本をみつけました。
「産む」と「働く」の教科書
著者は、「婚活」という言葉を生んだ少子化ジャーナリスト 白河 桃子さんと、
国立成育医療研究センターの齊藤 英和さん。
産んでも働き続けたい女性にとって、とても参考になる本だと思ったので、ご紹介したいと思います。
■女性音楽家の不安「出産前後のブランク」
女性は出産をすると、どうがんばってもその前後は仕事をセーブせざるを得ません。
法律で出産休暇が決められているのも、母体の健康を守るため。
とはいっても、
「休んでいる間に仕事がなくなったらどうしよう・・・」
という不安は、多くの女性が持っています。
特に、音楽家のように、演奏依頼など単発で仕事をとっていくタイプの職業についていると尚更です。
■出産休暇後も働き続けるために
この本では、出産によるしばらくのブランクの後、また働くための条件を、
以下のように挙げています。
<一度やめても正社員で働く条件>
1 ブランクは短く(3年以内)
2 契約や派遣でも、まず働きj始める
3 3~4年後の正社員を目標にする
4 働いていたときの人脈は切らさない
5 常に「働きたい!」と周囲に伝える
6 「得意なことは?」の問いに提示できるものを持つ
出典:「産む」と「働く」の教科書
上記は正社員で働く条件ですので、2、3は以下のように読み替えるとよいかもしれません。
2 契約や派遣でも、まず働きj始める → 小さな仕事でもとにかく受ける
3 3~4年後の正社員を目標にする → 3~4年後に、出産前の仕事のペースに戻すことを目標にする
6は「音楽」でしょうから、音楽家の場合あまり問題ないでしょう。
■ブランクは「短く」がキモ!?
ピアニストの上原 彩子さんが、大きなお腹で演奏されていた姿は印象的でした。
人気声楽家 森 麻紀さんも、出産の2か月前まで舞台に立たれ、出産2か月後には復帰されています。
ポップアーティストの木村 カエラさんも、出産後わずか一か月半でニューシングルをリリースされています。
上記の6条件には、ブランクは3年以内が望ましいとありますが、
音楽家の場合、3年は長いように思います。
数か月で復帰し、3年後には出産前の仕事のペースに戻すというイメージでしょうか。
私も出産を経験していますが、数か月という短期間のうちに復帰するのは、想像以上に大変です。
私自身は、出産後初の演奏は、出産から1年後でした。上記のお三方にはほんとうに頭が下がります(;_;)
ブランクを短くするためには、
自身の体調のメンテナンスに加えて、
周囲の協力を得られること(夫・両親・ベビーシッター・保育園等)が、
とても大切になるのではないかと思います。
■大切にしたい人脈
それともう一つ、大切なのはやはり「人脈」。
条件の
4 働いていたときの人脈は切らさない
5 常に「働きたい!」と周囲に伝える
は、ぜひ実践しておきたい項目です。
仕事を依頼する側からすると、
「出産後大変だろう」と気を使って、仕事を頼みたくても頼みづらいものです。
ですから、
「私は○月から復帰します!」
と周囲に宣言して、復帰時期を明確にしておくことは、実はとっても重要です。
今日は、音楽家の「産む」と「働く」について書いてみました。
この本には他にも参考になる情報がいっぱい書かれています。
興味のある方はぜひ読んでみて下さいね!特に若い音大生のみなさん、おススメですよ♪
それではまた!
今日も素敵な音楽を奏でましょう♪