こんにちは。おんじゅく代表(=音楽家のしごと塾) のじま えみ です。
音楽家のしごと塾では、月1~2回、メルマガ「年収が10倍になる!音楽家の仕事術」を配信しております。
(よろしければぜひご登録くださいね♪ →メルマガ登録はコチラ)
今日はそのなかから、一部の記事をこのブログでご紹介したいと思います。
テーマは、
「統計からみた音楽教室業界の実態とは!?2021」
です。どうぞお楽しみください♪
年収が10倍になる!音楽家の仕事術vol.99 2021.3.25配信
「統計からみた音楽教室業界の実態とは 2021」
国は、日本の産業構造を明らかにするため、
経済センサスという統計調査を行っています。
本メルマガでは、約5年前、
上記統計結果を基に、音楽教室業界の分析を試みました。
(「統計からみた音楽教室業界の実態とは!?」2015.9.24配信。ブログで公開中。)
今回は、
今現在最新の結果を踏まえると共に、新たな視点も加え、
同稿を刷新してお届けします。
どうぞお楽しみください。
■音楽教室従業者は日本の人口の0.03%
はじめに、日本で音楽教室に携わっている人は、
何人いるのでしょうか?
平成28年経済センサス(第25表/産業横断的集計/音楽教授業/従業者数)によると、
約3万9千人(平成28年6月現在)ということです。
これは日本の人口の約0.03%。
意外に多いと感じられたでしょうか?
少ないと感じられたでしょうか?
ちなみに、
学習塾に携わっている人は、
音楽教室の10倍近くいるようです。
(学習塾従業者数:361,282人 音楽教授業従業者数:38,769人)
■音楽教室は少人数での経営が多い
次に、経営組織/従業者規模をみていきましょう。
音楽教授業従業者のうち、
約6割が個人経営、残り4割が法人(会社・会社以外の法人・法人でない団体)です。
従業者規模でみると、
従業者規模10人未満の音楽教授業従業者が、全体の77.3%を占めています。
音楽教室は、
個人経営、あるいは、
少人数での経営が大半であることが、
この数字から浮かび上がってきます。
ちなみに、
音楽教室と同じく習い事として人気がある、
外国語会話教室、スポーツ教室、学習塾と比較してみましょう。
(個人経営の従業者割合/従業者規模10人未満の教室に従事する従業者のパーセンテージ)
音楽教授業(再掲) 約6割 / 77.3%
外国語会話教授業 約2割 / 約50%
スポーツ教授業 約1割 / 約30%
学習塾 約3割 / 約40%
音楽教室がとりわけ、少数精鋭で頑張っていることがわかります。
■音楽教室従業者は女性が多い
音楽教室のもうひとつの特徴として、
女性が多いことが挙げられます。
音楽教室従業者の、約8割が女性です。
ここでも、他の主な習い事と比べてみましょう。
外国語会話教授業従業者に占める女性の割合は、6割強。
スポーツ教授業及び学習塾は、
約半分が女性の従業員となっています。
音楽教室の女性比率の高さが際立ちますね。
さて、少数派である音楽教授業の男性従業者ですが、
従事する経営組織に、女性従業者とは異なる傾向がみられます。
先ほど、音楽教室は個人経営が多いとご紹介しましたが、
男性に限っては、
個人経営よりも、法人に従事する従業者の方が多いのです。(※)
一般的に、社会的信用という面で、
「個人経営」よりも「法人」の方が有利だと言われていますが、
女性よりも男性の方が、
法人志向が強いのかもしれません。
(※ 平成28年経済センサス第25表より 男性従業者数 個人:3,544人, 法人:3,909人)
■減り続ける音楽教室従業者
さいごに、ここ数年の変化をみてみましょう。
音楽教室の従業者数は、
ゆるやかに減り続けているのが実態です。
平成28年は、
平成24年と比べ約1割減っています。
こうした状況は、
子どもが減っているのだから仕方がない…と簡単には片付けられません。
なぜなら、
同じく子どもを主な対象とする学習塾や外国語会話教室、スポーツ教室の従業者は、
増加しているからです。
平成28年 平成24年 対平成24年比
音楽教授業 38,769人 42,691人 約9%減
学習塾 361,282人 346,884人 約4%増
外国語会話教授業 42,556人 38,355人 約11%増
スポーツ教授業 76,963人 65,724人 約17%増
少子高齢化に加えて、
習い事の多様化という社会環境の変化もあり、
長年習い事として不動の地位を築いてきた音楽教室には、
厳しい時代となってきています。
■おわりに
今日は、経済センサスを基に、
音楽教室の実態についてみてみました。
いかがでしたでしょうか?
厳しい状況が見え隠れしていますが、
こんなときこそ、
音楽教室関係者が一体となって、業界を盛り上げていけたらと、
音楽を愛する者の一人として願うばかりです。
それでは今日はこの辺で。
今号も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回配信をお楽しみに!
今日も素敵な音楽を奏でましょう♪
(本稿では、経済産業省平成24、26、28年経済センサスの結果を参照しました。)