こんにちは。おんじゅく代表(=音楽家のしごと塾) のじま えみ です。
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今日はそのなかから、特に反響が大きかった記事をご紹介したいと思います。
テーマは、
「統計からみる!ビジネスとして魅力ある習い事は何?」です。
どうぞお楽しみください♪
◇統計からみる!ビジネスとして魅力ある習い事は何?◇(2020年10月15日配信)
ビジネスとして成立するか否かを決める、重要な要因の一つが、需要と供給のバランスです。
需要に対して供給が大きければ大きいほど、ビジネスとしての成立させるのが難しくなります。
なぜなら、同業他社との競争が激しく、顧客の獲得が困難で、利益の取り合いになる市場だからです。
反対に、需要に対して供給が少ない場合、ビジネスチャンスになります。
習いたい生徒はたくさんいるのに、教えられる先生が一人しかいなければ、その先生が総取りできるわけです。
また、競合がいなければ、価格設定やサービスについて他からのプレッシャーがありませんから、自分のやりたいようにできます。
というわけで、ビジネスとして魅力があるのは、
需要>供給
の市場といえるでしょう。
今回は、最新の経済センサス活動調査の結果から、ビジネスとして魅力ある習い事は何なのか、需要と供給のバランスという視点でみていきます。
※今回取り上げる習い事とは、経済センサス活動調査産業分類より、塾、音楽教授業、書道教授業、外国語会話教授業、スポーツ・健康教授業、生花・茶道教授業、そろばん教授業、以上7種類の習い事です。
■裾野が広いのは「スポーツ・健康教授業」と「塾」
まずはじめに、それぞれの習い事の、需要の大きさを比べてみましょう。
ここでは、(潜在需要の事はひとまず置いておき、)
需要=受講生数 と考えます。
受講生数が多いということは、裾野が広い習い事だといえます。
裾野が広い習い事ランキング(受講生数)
第1位 スポーツ・健康教授業 1,812,333人
第2位 塾 1,811,478人
第3位 外国語会話教授業 697,906人
第4位 音楽教授業 602,359人
第5位 書道教授業 79,324人
第6位 生花・茶道教授業 50,631人
第7位 そろばん教授業 42,951人
(平成28年経済センサス活動調査より)
手前味噌ですが(笑)、音楽教室は習い事の中で受講人数が多い方ではないかと、なんとなく思っていたのですが、この統計結果によると、外国語会話と音楽が同人数程度、
その3倍近い人が、塾やスポーツ・健康教授業に通っていることになります。
■厳しい「そろばん」・魅力的な「生花・茶道」
次に、需要と供給のバランスをみていきます。
受講生1000人あたりの事業所数で比べてみましょう。
この数が大きいほど、需要に対して供給が大きい=同業他社との競争が激しい、ということができます。
競争の激しさランキング(受講生1000人あたりの事業所数)
第1位 そろばん教授業 13.8事業所
第2位 塾 10.1事業所
第3位 外国語会話教授業 7.0事業所
第4位 音楽教授業 5.3事業所
第5位 書道教授業 2.8事業所
第6位 スポーツ・健康教授業 2.3事業所
第7位 生花・茶道教授業 1.5事業所
(平成28年経済センサス活動調査を基に筆者算定)
私が音大を卒業した時、親戚から「いいピアノの先生はたくさんいるから大変ね。(=ピアノの先生で食べていくのは大変よ。)」と言われたことがあり、若干トラウマになっていたのですが(苦笑)、これをみると、取り立てて音楽教室が、需要に対して供給が大き過ぎるとは言えませんね。
一番厳しいのはそろばんです。裾野は狭く、過当競争。
最後に、お金の動きの大きさをみてみましょう。
ここまでのランキングをみると、「スポーツ・健康教授業はいいなぁ」と思われませんでしたか?裾野は広く、競争もそれほど激しくない。
しかし、
1従業者あたり売上金額をみると、音楽教授業が、スポーツ・健康教授業のそれを大きく上回っています。
理由は、1受講生あたり売上金額や、従業者数が異なるためです。
例えば、そろばんは一般的に、塾より月謝が安いですよね。(これは価値の大小ではなく、商習慣等、一口に説明できない要因によるものです。)
詳しくは経済センサスの統計結果をご覧いただくとして、さいごに、1従業者あたり売上金額をご紹介しましょう。
お金の動きの大きさランキング(1従業者あたり売上金額)
第1位 生花・茶道教授業 13,142,466円
第2位 音楽教授業 8,369,580円
第3位 外国語会話教授業 7,155,738円
第4位 スポーツ・健康教授業 5,283,353円
第5位 書道教授業 4,327,884円
第6位 塾 4,029,904円
第7位 そろばん教授業 2,123,540円
(平成28年経済センサス活動調査を基に筆者算定)
今回、7種類の習い事を比較してみて、生花・茶道教授業が、魅力的なニッチ市場だということが明らかになりました。裾野は狭いですが、供給も少ないために、1従業者あたりの売上金額がとても高くなっています。
一方厳しいのは、先ほども挙げたそろばんです。裾野は狭く、供給は過大。1従業者あたりの売上金額も、比較した中で一番低くなっています。
今回の結果からみると、音楽教授業は、まずまず魅力的な習い事市場といえるのではないでしょうか。
■おわりに
いかがでしたか?
統計をみると、肌感覚とは少し違った景色がみえて、面白いですよね。
今日は、最新の経済センサス活動調査の結果から、ビジネスとして魅力ある習い事は何なのか、需要と供給のバランスという視点でみてきました。
今後も独自の視点で、音楽家にとって興味深いデータをご紹介していきますので、楽しみにしていてくださいね。(2020.1015メルマガ音楽家の仕事術vol.95)
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