2022年4月3日、10日 野島恵美ピアノリサイタル、終演いたしました。年度始めのお忙しいところ、たくさんの方にご来場いただき心から感謝申し上げます。
終演から1週間、身も心もヨレヨレ状態で、投稿しようと思いつつ筆が止まっておりました。2日ほど前から太ももの裏あたりの筋肉痛も収まり、気力も回復してまいりましたので、リサイタルの模様を一筆書かせていただこうと思います。
ブラームスの晩年の作品から始まったリサイタル。作品や作曲家についての小話をはさみつつ、人気曲ラ・カンパネラ。拙いトークながら、にこにことうなずいて下さるお客様に力をいただき、ラフマニノフの生前のエピソードをお話ししつつ、ひとりラフマ。(ラフマニノフピアノ協奏曲2番のオリジナルピアノソロ編曲)ラストは、希望に向かってひた走る、ベートーヴェンの28番のソナタで締め。
「きらきらした超絶技巧(カンパネラ)」「ブラームスの低音にしびれた」「ベートーヴェン、圧巻だった」「トーク、面白かった。」などなど、私にはもったいないお褒めの言葉を頂戴し、今後に向けた勇気をたくさんいただきました。誠にありがとうございました。
今回は、個人的なことながら、40歳という節目の年のリサイタル。40歳にしてやっと(苦笑)自分として納得のいく演奏ができるようになってきたという手ごたえがあり、ここまで自分を育ててくれた多くの人たち(先生、友人、親、家族・・・)の愛情・努力を無駄にするわけにいかない。今弾かないでどうする!!という気持ちで企画しました。さらに、年齢的なところからくる様々な体調の不調の兆候をはじめ、パンデミックに戦争という信じられない事態に直面し、「いつ弾けなくなってもおかしくない」というあせりの気持ちもありました。
実際、準備の過程では、子供の園の突然の休園、同級生の訃報、親しくさせていただいている方の病の知らせなど、気持ちの動揺が収まらないことが続き、果たしてお客様の前で良いパフォーマンスができるのかと、眠りの浅い日々が続きました。しかし不安はありつつも、自分が良いと思うもの、面白いと感じることを、演奏し、おしゃべりさせていただくという、大変ありがたい機会が嬉しく、幸せでありました。当日は、お越しいただいた皆様のあたたかな雰囲気に助けられ、無事リサイタルが終演し、心から感謝しております。
かなしいことに、世の中では、悲惨なことが起こり続けています。ベートーヴェンの28番が示してくれた「愛からしか希望は生まれない」ということを、世界の人類が全員忘れてはいけないと、改めて感じているところです。
長い文章となりました。お読みくださりありがとうございました。来月には名古屋で、8月には東京で演奏会を予定しております。お出かけいただけたら嬉しいです。
新緑が美しい季節となりました。どうぞ良き春の一日をお過ごしください♪
今後の演奏予定
2022年5月7日(土)アリエッタフレスカ ザコンサートホール(名古屋)
2022年8月8日(月)ふたりのフランツ第4回 目黒パーシモンホール小ホール
2022年8月28日(日)Piano&StringsConcert hall60(東京・表参道)