■恥ずかしいの過去の過ち
恥ずかしながら私はかつて、
このこと(「相手が何を求めているか」を知ることが大事だということ※上巻参照)を、
ほとんど意識せずに演奏活動をしていました。
今でも赤面する過去の過ち。
他の方が、同じような経験をなさることがないよう、
今日は恥をしのんでご紹介したいと思います。
■私の失敗
それは、あるリサイタルでのことです。
日本人作曲家の現代曲を弾きました。
この曲は、良い曲なのですが、よほどの音楽通でないと聴きにくいような難曲。
一方、そのリサイタルにお越しいただいた方々の中に、現代曲マニアは皆無(笑)
休日にふらっと、気持ちの良い音楽を楽しみたいと来てくれた人たちです。
そんな方々にとって、あまりにもマッチしない選曲でした。
さて、観客の反応はどうだったでしょう?
ショパンやリストの名曲を弾いた後と、
明らかに拍手の質が違ったのを覚えています。
観客の心を代弁すると「ぽか~ん??」といったところでしょうか。
私は過ちをおかしました。
その曲を選んだのは、単に仕上がりが良いからという理由だけだったのです。
そこには、観客がどんな音楽を求めているか?という、
最も重要な視点が抜け落ちていました。
■失敗から学ぶこと
コンサートに来たお客さんがどんな曲を聴きたいと思っているのか。
演奏活動をするときは必ず、
「相手が何を求めているか」を知るように努力しましょう。
先ほどの私のようなことをしていては、
観客の評価は下がり、
演奏家としての評価も残念ながら下がってしまいます。
音楽教室で生徒さんを指導する場合も、
全く同じことが言えるのではないでしょうか。
ある有名なピアノの先生は、
こんなことをおっしゃっていました。
その先生は、入会を決めた生徒さん及び親御さんと、
レッスンを始める前に時間をとって、まず話し合うのだそうです。
「ピアノを習う目的・目標は何か?」
「その目標を、どのくらいの期間で達成したいと思っているのか?」
などなど
そうした話し合いの時間を通じて、
その生徒さんが何を求めて習いに来ているのかを確認するのだそうです。
レッスンを始めるのはそれからだとか。
そういう先生からは、生徒はなかなか離れません。
■求めていることは人それぞれ
ピアノを習う目的ひとつとっても、
「ピアノが上手になりたい。」
「ただ単純に音楽を楽しみたい。」
「(目的の曲があって)とにかくあの曲が弾けるようになりたい。」
など、人それぞれ。
親御さんの中には、
「音大を受験させたい。」
「教室に通うことで礼儀作法を身に着けたい。」
「練習を決まった時間にするなど、生活リズムをつけたい。」
といった方もいるでしょう。
単純に音楽を楽しみたいと思ってきている子に、
音大受験対策をビシビシしたところで何の意味もありません。
生徒さんの満足度は下がり、
どんなに一生懸命教えても、先生の評価が下がってしまいます。
「相手が何を求めているか?」を知ること。
この心掛けを大切に、
演奏を聴きたい!
レッスンを受けたい!
と思われる演奏家や音楽教室の先生になりたいものです。
本稿は、「年収が10倍になる!音楽家の仕事術」vol.3 2014年11月15日配信号の記事です。
先日はコンサート来てくれてありがとう!凄い興味深いブログだね!読むの楽しみにしています。
ありがとう!気長にやっていくので、ちょいちょい読んでもらえると嬉しいです(#^.^#)
先日のコンサート、本当に素晴らしかったよ。また聴かせてもらうのを楽しみにしてるね!